Dialysis犬猫の血液透析のご案内
血液透析は、動物から血液を取り出してダイアライザーという装置で浄化し、体に戻す治療法です。この治療法は、腎臓の機能が低下し、老廃物を排出できなくなった際に行われます。
適応
犬猫の血液透析の主な適応は以下の通りです。
- 急性腎不全:通常の治療に反応が悪い場合
- 中毒:エチレングリコール中毒、レーズン中毒など
- 慢性腎臓病の増悪期
- **尿減少症や無尿症**で内科治療に反応しない場合
- 治療抵抗性の高カリウム血症
- 重度の代謝性アシドーシス
特に、静脈点滴を行っても数値の改善が見られない場合や、尿量が少ない(乏尿・無尿)場合に効果的です。
血液透析の手順
- カテーテル挿入:首の静脈にダブルルーメンカテーテルを挿入します。
- 血液の浄化:専用のカテーテルを通して体から血液を抜き、透析器に通します。
- 老廃物の除去:ダイアライザーで血液中の老廃物や余分な水分を除去します。
- 血液の返還:きれいになった血液を再び体に戻します。
血液透析は通常、一日3時間程度行い、腎臓機能が正常に回復するまで毎日繰り返します。
注意点
- 慢性腎臓病の場合、血液透析の適応は限定的です。
- 動物用の血液透析機は、人の透析機よりも体外に出す血液量を抑えることができます。
- カテーテル挿入時には短時間の麻酔が必要ですが、その後の透析には通常麻酔は不要です。